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国民ほぼ全員がバイリンガルないしはトリリンガルである国フィリピン。
なぜ、フィリピン人は英語が話せるのでしょうか?
フィリピンはマニラに在住・在勤経験4年の筆者が、「フィリピン人はなぜ英語が話せるの?」という疑問にお答えします。
英語にまつわるフィリピンの基本情報
まずはフィリピンという国の言語にまつわる基本情報を見てみましょう。
人口 | 総計 1億98万1千437人(12位) フィリピンには戸籍制度がありません。 |
公用語 |
|
人口密度 | 337人/km2 世界屈指の人口密度。 |
独立 |
フィリピンの地名にはスペイン語由来の |
時間帯 | UTC +8(日本と時差1時間) |
フィリピンはマレー系を始めとする多民族国家。
国語はフィリピン語 (Filipino:実質的にタガログ語と同じもの)。
公用語はフィリピン語と英語ですが、その他、母語として使われている言語があり合計で172以上あると言われています。
母語(多くの場合ご家庭内での会話で使用している言葉)のうち話者数が多い順TOP5は次のとおりです。
フィリピンの母語人口 話者数の割合
言語 | 話者数 |
タガログ語 | 24.44 % |
セブアノ語 | 21.35 % |
イロカノ語 | 8.77 % |
ヒリガイノン語 | 8.44 % |
ワライ語 | 3.97 % |
よって、例えば、セブ島に住んでいる方の場合は、次のとおり3種類の言語を使い分けているということになります。
3つの言語を話します。
- 国語=フィリピン語
- 英語
- 母語=セブアノ語
フィリピン人の英語力の理由にフィリピンの教育カリキュラム
上述のとおり、公用語が英語とフィリピン語の2ヶ国語あり、加えて母語を持つフィリピンの人々。
これら2ヶ国語ないしは3ヶ国語を使い分けて生活するという「国民ほぼ全員がバイリンガル・トリリンガル状態」の国がフィリピンです。
フィリピン人はなぜ英語が話せるのか?という疑問を解くために、フィリピンでどのように初等教育が行われているかを紹介します。
フィリピンの小学校の時間割(語学・算数・科学)
フィリピンの小学校の標準時間割表のうち、語学・算数・科学の部分を見てみましょう。
Grade 1 (1年生) | Grade 2 (2年生) | Grade 3 (3年生) | Grade 4 (4年生) | Grade 5 (5年生) | Grade 6 (6年生) | |
母国語 | 毎日50分 | 毎日50分 | 毎日50分 | なし | なし | なし |
フィリピン語 | 毎日30分 | 毎日50分 | 毎日50分 | 毎日50分 | 毎日50分 | 毎日50分 |
英語 | 毎日30分 | 毎日50分 | 毎日50分 | 毎日50分 | 毎日50分 | 毎日50分 |
算数 | 毎日50分 (母国語による授業) | 毎日50分 (母国語による授業) | 毎日50分 (母国語による授業) | 毎日50分 (英語による授業) | 毎日50分 (英語による授業) | 毎日50分 (英語による授業) |
科学 | なし | なし | 毎日50分 (母国語による授業) | 毎日50分 (英語による授業) | 毎日50分 (英語による授業) | 毎日50分 (英語による授業) |
例として多数の英語学校があるセブ島の小学生の場合で説明します。
セブ島の小学校1年生
- 語学の授業として”母語(セブアノ語)、フィリピン語、英語”の3つの言語の授業を毎日受ける
- 算数の授業はセブアノ語で受ける
セブ島の小学校4年生
- 語学の授業として、母語(セブアノ語)の授業はなくなり、”フィリピン語、英語”の2つの言語の授業を毎日受ける
- 算数の授業と科学の授業は英語で受ける
このように小学校1年生から、3つの言語を同時にしかも毎日授業をしているということですね。
4年生からは通常の家庭生活で使用している母語の授業はなくなります。
学校では公用語であるフィリピン語と英語だけで生活をし、家に帰ると母語で話すという、幼少期からトリリンガル状態ということですね。
国民全員が英語を使いこなせるどころかトリリンガルという状態はこのような授業のシステムから生まれています。
フィリピン人はなぜ英語が話せるようになるのか?小学校での授業にヒント
フィリピンでの英語教育は、その統治の歴史からアメリカ英語をベースとして行われます。
英語学習は”リーディング、リスニング、ライティング”に分かれますが、フィリピンでは、「リスニングとスピーキング→リーディング→ライティング」の順で小学校の授業カリキュラムが組まれています。
- 1年生の英語の授業では“Oral fluency(発音)”に重点
- 2年生の英語の授業では“Reading and Writing(読み書き) “の授業を開始
- 3年生の英語の授業では“Beginning Literacy”(複雑な読み書き)”に重点
今の親御さん世代、英語がまだ必修科目どころか小学校の授業にもなかった世代では、中学校に入って習った英語は「リーディング→リーディング→少々ライティング・・」という授業だった方も多いのではないでしょうか?
これでは、英語が話せるようにならないのも当然ですよね。
実際に国民全員が英語を使いこなしている国であるフィリピンの教育カリキュラムから、私達も効率的な英語学習の順番のヒントが得られそうです。
フィリピン人の英語の訛りの理由
フィリピン人の英語には訛りがあるという人がいます。
一方、”訛り”というと「正解の英語とは何?」と問いたくなる方もいらっしゃるでしょう。
フィリピン人の英語に訛りがあるとすれば、そのフィリピン人の英語の特徴が垣間見られるエピソードを紹介しましょう。
フィリピンの友人の英語を例に特徴を見る
フィリピン人が普段の生活の中でカジュアルな用途で使っている英語はどのようなものか紹介しましょう。
次の英語は筆者の元同僚でもあるフィリピン人の友人が、筆者に向けて書いたメールです。
中身は「やあ元気?」というたわいのない内容です。
日本人間でも友人へのメッセージは最低限相手が読める程度で書くことも多いですが、それと同じようなフランクな英語の書き方ですね。
ひとつ、“na”とタガログ語が混じったりする点が特徴的です。
※この友人の母語はタガログ語
na = タガログ語で”今”とか”さあ”といった意味の語。
実用では日本語の”だよな”と近しいかたちで”だね”といった意味で語尾につけることが多い。
このメールではニュアンス的には「やあ!元気かーい」と言ったところです。
タガログ語文法上も”借用語”といってタガログ語にない語句は英語やスペイン語から借用する決まりであるため、自分が話しているのが何語だか意識しないと区別が付きにくいのですね。
フィリピン人の英語の訛りの理由はアクセント位置?
このように「母語やフィリピン語の影響を受けることがある」ことがフィリピン人の英語の訛りの理由と筆者は考えます。
また、タガログ語では単語の2-3文節目にアクセントが来る単語が多く、英単語であってもつられて2-3文節目のアクセントで話されている場面も良く耳にします。
例
Maganda(”美しい”の意味のタガログ語:daにアクセント)
Beautiful(つられてfulにアクセントが付く人も)
ただ、このような母国語やフィリピン語からの影響を受けた英語の発音やアクセントが登場するのはカジュアルな会話の場面のみです。
仕事上の打ち合わせや発表の場などでは、ピュアな英語のみに切り替えて話しています。
レアジョブの先生は、このオフィシャルモードの英語に切り替えてレッスンをしているか、母語は一切聞かせないようにするほど英語教育に熱心なご家庭で育ったかです。
まとめ「フィリピン人はリスニングを鍛えるから英語が話せる」
フィリピンはマニラに在住・在勤経験4年の筆者が、「フィリピン人はなぜ英語が話せるの?」という疑問にお答えしてきました。
フィリピン人が英語が話せる理由は「初等教育からの徹底的な英語・フィリピン語学習」にありという答えが適当なようです。
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体験レッスンは2回できるので、
違うタイプの先生を選ぶことで正しい評価が得られます。